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セレクション

織物
生命の樹紋絵染掛飾
18世紀末期 インド
生命の樹紋絵染掛飾 
縦352 cm、横261cm

  18~19世紀インドのコロマンデル海岸(Coromandel Coast)では手書きの染め布(更紗)が盛んに作られ、ヨーロッパへ大量に輸出されていました。この掛飾りは当時人気のパラモール(ベッドカバー用の更紗)で、綿素材に手書きで絵染めを施したもので、主な用途は寝具や壁飾りでした。布中央には様々な鳥が生息する生命の樹、他には孔雀や数種類の異なる草花の図案で飾られており、樹を中心として左右対称にデザインされています。図案の間の隙間には、らせん状の紋がいっぱいに描かれ、周囲は蝶を結わえた花環で装飾され、中心の図案を引き立てています。また、生命の豊かな美しさと繁栄の有り様を表現しており、濃厚な東方趣味と装飾スタイルに満ちています。

  「生命の樹」とは、ヘブライ語が語源で、神に通じる道、または神が宇宙を創造する方法を描いており、西アジア古代文化の中で流行し、ペルシャ文化とムガール文化が各地に広がるにつれ、インドにも伝わりました。これは生命の樹をテーマとした掛飾りで、元々は欧州市場に輸出された製品です。

 

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